蒸気な日常

PCゲーム(Steam)を中心に、映画、小説などの感想もつらつらと。

Team Grybanser Foxというシューティング大好き開発チームについて

久々の投稿です。仕事とゲームが忙しくて……まぁ、平凡かつ幸せな日常を送っております。今回は「Team Grybanser Fox」(以下Grybanser)という主にSteamで活躍している(はずの)開発チームが作っているシューティングゲームの魅力について、語りたいと思います。


 

* 出会いはZenodyne R

 Zenodyne R on Steam

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90年代シューティングへのリスペクト感のあるZenodyne R

Steamでは日々たくさんのゲームがリリースされています。その中から自分の好みに合わせて色々なゲームを買って遊んでいくわけですが、そうしているうちに自分でも気づかなかった「好きなゲームの傾向」が分かることがあります。私の場合、元々好きだったアクション、シューティング、シミュレーションあたりに加えて、ステルスや忍者、サイバーパンクにめっぽう弱いことが明らかになり、動物や魚がたくさん出てくるゲームが好きらしいとか、あまり意識していなかった謎の特性に気付いたりします。

 

そんな中で、インディのシューティングということで何となく買ったのが『Zenodyne R』と『Zenohell』。どちらも似たタッチのSF系縦スクロールシューティングで、パワーアップやボムがある90年代のアーケードシューティングを意識したレトロ感あふれる作りです。このゲームを購入した2016年頃の自分は『ダライアスバーストCS』にドはまりしていたこともあり、「そこそこ良くできてそうだけど、少し地味だな。今プレイしているゲームに飽きたらやってみるか」ぐらいの、よくある積みゲーを増やしてしまう感覚で後回しにしてしまっていたのでした。

 

・衝撃のFire Arrow Plus

 Fire Arrow Plus on Steam

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とにかくテンポのいいFire Arrow Plus

そして時は流れて2020年。たまたまセールで安く売っていた『Fire Arrow Plus』という縦シューが目に留まり、「ああ、これはZenoなんとかの……」と思い、購入してプレイしてみることに。すると!なんと!

「うわああああああ面白いいいいいいいい」

気が付けば何度もリトライしてクリアを目指して熱中している自分。

このゲーム、いにしえのキャラバンシューティングを意識しており、3分と5分の各モードで時間内orクリアまでのスコアアタックを行う作りになっています。すなわち、1プレイが長くても3分か5分という短さなわけです。それでいてハイテンションなBGMと、ジャラジャラでるスコアアイテム、『TATSUJIN』や『ドギューン!』のようなメカっぽい東亜プラン系デザインが、妙に心を燃え滾らせてきます。

難易度的にはなかなかの歯ごたえで、画面下から出てくる知らないと即死の敵や、攻撃をかわすポイントを覚えないとダメな中ボスなど、アドリブよりパターン構築寄りです。その反面、パワーアップしすぎて画面中を埋め尽くすほどになる自機の弾や、使いどころを決めるとかなりの破壊力があるボム等、プレイヤー側も対抗の手立ては用意されており、攻略のしがいがあります。更に3分と5分の各モードの最後にはボスが出てきて、倒すとエンディングまでちゃんと流れる作り込み。率直に楽しいです。

ところが、肝心のスコアアタックの方はローカルのみでオンラインはなく、世界の凄腕プレイヤーがどんなスコアを出しているのかは分かりません。よくよく考えると道中の中ボスの出現パターンもランダムなので、マジメにスコアアタックをすると運に左右されすぎる気がします。そんな、良くできているようで、あとちょっとのところで粗が見えてしまう惜しいところを見て、自分は「この開発元は注目してみると面白いのでは?」と興味を持つようになりました。

 

・Jet Buster(クライムスイーパー・元アイドル・27歳)

 Jet Buster on Steam

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かわいい…かわいい?

そんなところで、Grybanserから出ている他に出ている作品は……と探して見つけたのがこの『Jet Buster』。ここにきて獣人?ケモナー?と大幅な方向転換に戸惑いを感じつつも、購入してプレイ。やっぱりショットとボムで進むオーソドックスな縦シュー。すると、やっぱり、面白いんですよこれが!確実にゲームとしての完成度が上がっている。

ビジュアル的にはいかにも海外の方が描いた絵で、日本の細かいタッチの美しい漫画やアニメで目が肥えている日本人的には、ちょっと物足りなく見えもするんですが、そんなことを考えているうちに、自分がGrybanserのどこに魅力を感じているのかに気付くことができました。

おそらくこの開発者達は、シューティングゲームが好きで好きで仕方なくて自分たちで作っちゃった人達で、その熱意がゲームから滲み出ているんです。

プレイしていると分かる、シューティングゲームとして大切な部分へのこだわりの数々。敵の爆発はSEを含め派手に。敵弾は自機の弾とはっきり判別をつけて見やすい色に。スコアエクステンドにより得点稼ぎ要素に攻略の意味も持たせる。縦シューとしての縦長の解像度をウィンドウモードでもフルスクリーンでもきちんと維持する。Steamで100円~1000円ぐらいで売られているインディの作品を多数遊んでいると、一見当たり前のようなそんなこだわりをきちんと積み重ねていることが、いかに作り手が熱意を持って作っているのかの証明として伝わってきます。

「俺たちの作ったシューティングを遊んでみてくれ、シューティングゲームって最高だろ?」

そんなGrybanserからのメッセージを感じずにはいられない。何だかケモノたちもかわいく見えてきた!

 

* そして期待の新作へ

Super XYX on Steam

Zenodeath on Steam

洗練された大手メーカーや一流クリエイターの作品も面白いのですが、Grybanserのように現在進行形で進化していく開発者のゲームをリアルタイムで味わうことができるのは、インディを追いかける醍醐味です。『Zenodyne R』から比べて、『Jet Bluster』まで確実に進歩しているのが感じられます。

この記事を書いているのは2020年8月1日。まさにその8月に、Grybanserの新作『Super XYX』の発売が予定されています。トレイラーを見てもメカメカしいデザインの中でドラゴンが吠えてたりして、過去作に回帰した雰囲気を再び楽しめそうです。もう1本『ZenoDeath』というこれまでのZenoシリーズの新作も今夏発売予定ということで、こちらも合わせて、Team Grybabser Foxの作品を今後も楽しみにしたいと思います。