蒸気な日常

PCゲーム(Steam)を中心に、映画、小説などの感想もつらつらと。

AviUtilの使い方メモ:拡張機能での回転

はじめに

ちょっと間が空きましたが、今回は動画編集ソフトAviUtlの使い方(Windows10)についてのメモです。動画といえば、家庭用ゲーム機をPCにつなげて取り込んだり、PC上のゲームを録画したり、はたまた最近のゲーセンでは自分のプレイを録画して持ち帰りできるところもあったりで、結構触れる機会があります。そんなときにお世話になっているのがAviUtlで、フリーながら多数の機能を持っており、用途に応じてプラグインによって拡張も可能と、とてもありがたいソフトです。

spring-fragrance.mints.ne.jp

今回の利用シーンはずばり「縦画面シューティングをキャプチャしたら横に撮れてしまったので回転したい」です。かなり特殊な感じもしますが、おそらくいろいろ応用が利くと思われますので、ご参考までに。

 

準備

・AviUtlおよび拡張編集のプラグインを入れておくこと

上記のAviUtlのサイトから入手できます。操作はやや複雑になるものの、できることが大きく増えます。

・対象の動画ファイルのサイズを調べておく

これはエクスプローラーでファイルを右クリックしてプロパティから参照できます。回転する対象なので、だいたい「640 x 480」「720 x 480」といった横長(昔のゲーム機だと縦横比4:3とか)になっているはずです。

 

AviUtlでの作業

ドラッグアンドドロップで「拡張編集」のLayer1へ

回転機能はレイヤーごとに働くため、最初にファイルを開く際にドラッグアンドドロップで「Layer 1」に直接ドロップします。

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このウィンドウにドラッグアンドドロップします

・読み込みサイズ確認で、長辺×長辺のサイズにしておく

ドロップした際に、読み込みサイズの確認がありますんで、この後回転することを想定して、長辺 x 長辺のサイズにしておきます。

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サイズを指定

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左に90度傾いた動画を読み込んだ例

・拡張編集の「回転」で回転

拡張編集の「回転」で-90(度)か90(度)を指定して、右または左に回転します。左右のボタンでも動きますが、数字で直接入力できます。

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回転の指定

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回転できました


・「クリッピング&リサイズ」の左右を使って元のサイズに合わせて左右を切る

これだけだと、左右に余白が残りますんで、左右を削って元のサイズに合わせます。「左」や「右」のバーをつかんで動かしてみると分かります。AviUtlのメインウィンドウ上部に現在のサイズが表示されるので、それを見ながら削っていくと細かく指定しやすいです。

尚、この子ウィンドウ右上のチェックボックスに「レ」を入れないと有効にならないので注意。

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左右のトリミング

 

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左右の余白(黒かったところ)を削ります

・ファイルを保存して完成

できあがったら、aviやmp4プラグイン出力で保存して完成です。フォーマットによってはファイルサイズと引き換えに画質劣化することもあるのでご注意を。逆に、ファイルサイズの節約をしたいのであれば、このときに比率を維持してリサイズするという手もあります。

今回はこれにて。この手のPC上のツール利用方法もたまに書いていければと思います。

 

君は「婆裟羅」を知っているか

今回は、8/14に発売されたばかりの「婆裟羅コレクション」(Steam)の「婆裟羅」について書いてみます。面白いんですよ、これ。

 

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婆裟羅タイトル

store.steampowered.com

 

・シューティングと戦国時代、そしてメカ!

「婆裟羅」は2000年、「婆裟羅2」は2001年にビスコからリリースされたアーケードゲームで、いわゆる縦方向シューティングです。「戦国エース」「戦国ブレード」(彩京)が1993、96年、「ぐわんげ」(ケイブ)が1999年であり、シューティングの舞台設定の1つとして和風のものを取り入れようという発想が徐々に確立されていった時期なのかもしれません(「戦国エース」までは戦闘機に乗ってましたが「戦国ブレード」以降は人そのものが自機として飛ぶようになったのかも)。ちなみに、家庭用ゲーム機向けの「戦国BASARA」(カプコン)は2005年で、これより更に少し後になります。余談ですがビスコの「婆裟羅」の方のスペルは「VASARA」です。

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左が婆裟羅1、右が婆裟羅2

 

この「婆裟羅」シリーズの特徴なんですが、何といっても戦国時代とSFチックなメカの融合というところにあります。戦国武将はイケメン・渋メン・美少女化され、メガネをかけたり葉巻を加えたり。今でこそ、歴史上の人物のイケメン化・美少女化はありふれた設定となってしまいましたが、当時はかなり斬新でした。各武将たちは空飛ぶバイクに乗り、敵将は大型ロボでそれを迎え撃つというスタイルは荒唐無稽でありながら、何となく面白そうに見えるキャッチーな魅力があります。そして、こんな滅茶苦茶な設定のように見えて、歴史的な背景を踏まえた上で各面の構成等が考えられています。イケメン・美少女の部分ばかり注目されてしまいますが、ここが熱い。ここが語りたい。

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プレイヤーキャラ。左から真田幸村島左近雑賀孫市

 

・開発者の戦国時代への思い入れが伝わってくる

「婆裟羅」(1作目)のストーリーは戦国時代の末期、大阪冬の陣・夏の陣あたりをベースにしており、主人公真田幸村島左近雑賀孫市の3人が徳川家康陣営に戦いを挑むというものです。ここからは歴史的な背景を踏まえていると感じた点について画面での例を交えて。

 

4面ボスは本多忠勝で、中ボスとして真田信之が登場します。これは、忠勝の娘婿が信之であったことと関係しています。関ヶ原の合戦でもこのつながりが一因となり、真田家は父昌幸と弟幸村(西軍)と兄信之(東軍)の2つの陣営に分かれたと言われています。信之との戦闘中に、天守閣から発進する忠勝の機体、芸の細かい演出に熱いものを感じます。

 

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真田信之のロボとの戦闘中、天守閣裏の堀から発進する本多忠勝

更にここ、プレイヤーが幸村を選択していると信之のセリフが変わります(顔グラも)。倒すのも、時間切れで逃がすのもプレイヤー次第。まあ弾避けに必死なわけですが。

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島左近雑賀孫市の場合の真田信之のセリフ

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プレイヤーが真田幸村の場合のセリフ

 

最終面、家康の陣へ向かう途中に多くの旗印が倒れています。これが石田三成の「大吉大一大万」だったり、宇喜多家や小早川家のものだったり(後の2つは今回スクショを見て初めて気付きました)、本当に細かいところまでこだわっている。

 

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戦場に倒れる「大吉大一大万」の旗印。画面上の赤い旗印は小早川で、左下の青い旗印は宇喜多

 

また、ちょっと史実からは外れますが、このゲームが出る少し前に、「影武者 徳川家康」という小説、漫画がありました。「婆裟羅」はこの「影武者 徳川家康」にも影響を受けていると感じています。漫画は原作・隆慶一郎/漫画・原哲夫という「花の慶次」と同じタッグで少年ジャンプで連載されていました。家康がどこかの戦場で既に命を落としていて、実は影武者が江戸幕府の礎を築いていた、というのは史実としては眉唾もののようですが、面白い説ですよね。「婆裟羅」にも「世良田二郎三郎元信」という武将が登場するので読んでいた方はアッと思うはず。

  

↑(Kindle版が出ているのは知らなかった!) 

 

ここまでの話と合わせて、もう1つ語りたいポイントがあります。ここまでのスクリーンショットで気付いた方もいると思いますが、このゲーム、グラフィックの書き込みが凄まじいんです。こちらもいくつか例を。

 

田んぼ にカカシが立ち、間には水が流れている。更に右下の池では魚が泳いでいる!(ちょっとしか映らないのに魚の影が動いている) 

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序盤、おそらく夏をイメージした田園地帯

雪の降り積もった田んぼの上を戦車が通ったので、跡が残っている。木々は枯れている。

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こちらは冬をイメージした面。わだち燃え

極めつけがここ、5面ボス直前、池に飛び込むカエル。いったいどれだけの人が気付くのか。でもすごい。

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画面中央左、石から池に飛び込むカエル

この他にも、戦車とともに駆けてくる兵や、逃げる人々等の描写もされていて本当に細かいです。自分のプレイを録画して見返すと、「こんなところで動いてる!」というような発見があったりします。

 

・そして2019年に復活を遂げる

2000年当時、自分はゲーセンでシューティングゲームを遊ぶプレイヤーであったとともに、戦国時代や三国志等、日本や中国を舞台にした歴史小説や漫画にもはまっていたこともあり、「婆裟羅」は「これは面白い!」と思っていました。ただ、他のプレイヤーの反応としては「何このバカゲーw」「でもやってみると難しい…」といった反応で、つかみは良いものの、あまり好評を得ることができず残念に思っていました。見た目はトンデモなバカゲーなんですが、やっているうちにシューティングとしてもよく練られた作品だと分かってくるんですよ。ただ、置かれているゲーセンも少なく、早めに姿を消してしまったこともあり、自分もクリアどころか4面ぐらいまでがせいぜいでした。

 

しかしながら2019年8月、今回の移植でついに、思う存分プレイできる!というわけで当時の記憶がまざまざと蘇るととも、本作への熱い思いが高まり、ブログエントリにしようと思い立ったわけです。この機会に少しでも多くの方に興味を持っていただければうれしいことです。PS4XBOX、Switchでも発売されるようですし、是非!

 

自分以上に熱い熱い思いを持っていたブラジルの開発会社QUByte Interactiveさんに感謝の意を表して、今回のエントリはここまで。自分は真エンディングを目指すための修行に戻ります。

 

参考:

MILLENNIUM CRISIS [VASARA]

↑個人で作成されている婆裟羅攻略サイト。大変参考になります。本エントリを書く際にも参考にさせていただきました。

『婆裟羅』はなぜブラジルの開発会社の手により蘇ることになったのか? 戦国シューティング復活の経緯を聞く - ファミ通.com

 ↑ブラジルでも本作は「隠れたお宝」というイメージだったようですね。

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2019年(上期+ちょっと)に遊んだゲームを振り返る

はじめまして、condor(こんどる)といいます。2019年8月、暑い日々が続いていますね。今年も既に半分以上が過ぎ、元号も平成から令和に変わりました。何か新しいことを始めようと思い立ちまして、これまでニコニコで書いていたブログを、はてなに移して書いてみます。これまで同様、Steamを中心としたゲームプレイのレビューが中心になると思います。
 
最初ということで、今回は2019年に遊んでいたゲーム、中でもクリアまで遊んだものをリストアップしてみました。Steamにはすごい数のゲームがあり、買い集めているうちに自分でも気付かなかったゲームジャンルの偏りが分かってくるのが面白いところで、およその方向性として、ドット絵、ステルス、サイバーパンク、警察ものでストーリー性の強いものが好きなようです。主人公は自分と同じおっさんがいいです。

 
以下、すべてPC(Steam)で、ジャンルごとにプレイ順に並べています。短評と、特に良かったものには★を付けています。
 
 
・2Dアクション(見下ろし型)
 
 初代ゼルダの伝説のようなダンジョン攻略とアイテム販売のお店シミュレーションを合体させたゲーム。良くできていて楽しめたものの、途中で底が浅めに感じてしまった。
 
イタリア ミラノを舞台に繰り広げられるマフィアの抗争劇。味わい深いドット絵と盛り上げるBGM、各面の仕掛けも面白い。難易度がちょっと高め。
 
★MilanoirをプレイしたことでSteamでは古典に近くなっているこの作品もプレイ。難しくても、ついついリトライしたくなるレベルデザインと没入感の高いBGMは今プレイしても最高。
 
 
・2Dアクション(サイドビュー型)
 面クリア型のアクションと思わせて、途中でメトロイドヴァニアになるびっくり展開と、センスあふれる会話がとても楽しい。アクションも良質。
 
 アクションの難易度はやさしめ。ちょっと不思議な世界を救うために奮闘するものの、なぜか自分は今一つのめりこめなかった。雰囲気や音楽はとてもいい。
 
 おじさん世代は懐かしかったり憧れだったりした「デーモンクリスタル」。MZ-1500が欲しかったなぁ。
 
サイバーパンク、ステルス、サムライ?個人的に好きな要素が詰まり過ぎて大ファンになってしまった作品。2Dアクションでは2019年のNo.1。
 
発売は2017年でそのときに買ってあったものの、日本語対応を待ってプレイ。噂に違わぬ難易度に面食らうも何とかクリア。ローカライズの丁寧さが素晴らしい。
 
 FCソフト「超惑星戦記メタファイト」をベースにリメイクされた作品。操作感やマップの作りは手堅い印象で、終盤盛り上がるシナリオも楽しかった。
 
長らく完成が待たれたIGAヴァニア最新作。そして期待を裏切らない出来栄え。メトロイドヴァニアのお手本として、今後の同ジャンルに影響を与えていきそう。
 
 RTSとして人気の「Door Kickers」を2Dアクションとして作った外伝的な作品。SWATを操作して、あるときはステルス、あるときは正面突破で、アクション以外にも人質を救出する手立てを考えるのが楽しい。
 
・アドベンチャー
 
 かえるの探偵が事件解決に挑むアドベンチャー。短いものの、味のある登場人物達とかえる探偵の会話に癒される。
 
 まとめてアドベンチャーにしちゃいましたが、ストーリー性の強い警察署長シミュレーターの続編。好きなんですが、いろいろ惜しい。
 
 サイバーパンクな世界で行方不明の息子を探す刑事の物語。全体を通して暗く、圧迫感のある雰囲気で、特に悪夢の描写がすごい。ネタバレしたくないので、あまり語れない作品。
 
1980年代のアメリカにて、ゲームセンターに出会い、ともに成長していく少年の物語。日本でも近い感覚を味わっているので、シナリオにかなり共感してしまう。
 
 これもサイバーパンクなアドベンチャー。observerと異なり、薄暗いサイバーパンクな世界と明るく楽しいディストピアが並列で描かれているのが特徴。1パターンでしかクリアしていないため、実はマルチエンドだったのか気になっている。
 
・リズム
 
 操作がシンプルでノリの良い楽曲、美しい背景とリズムゲーとして要求されるところはバッチリ。アナログスティックを使うところがちょっと難しい。
 
 古き良き(old schoolな)レトロゲームの世界を旅しながらリズムゲーを楽しむ、というコンセプトだけでもう楽しい。実はストーリーもしっかりしていて1粒で何度もおいしいお得感ある作品。
 
・3D(三人称)アクション
 「龍が如く 極」のSteam版。タイトルが海外版と同じになっているだけで、内容はそのまま。セガの看板タイトルの1つ、その原点となる作品ということで話も面白いし、キャラクターも立っていてさすがという印象。
 
Yakuza Kiwamiプレイ後、では洋ゲーのマフィアはどうなんだろうと思い立ってプレイ。こちらはこちらで大味ながら1960~70年代の雰囲気に浸ってプレイするのがかなり楽しかった。
 
 
 「龍が如く 極み2」のSteam版。今回もボリュームたっぷり、親切丁寧。バーチャロン最高。 
 
 ・パズル、その他(雰囲気系?)
 
 動く絵をヒントにしてピースを動かして話を進めていくパズル。作り込まれた雰囲気はすごく良かった。ちょっと後半飽きてしまったかも…
 ウォーリーを探せ的な探し物ゲーム。現実を忘れて何かに没頭したいときに。
  とにかく美しい。実態は2Dアクションなんですが、そこに分類するのも何か違うかなぁと。Steamにて「圧倒的に好評」ですが、最後までプレイした人は半分もいないというあたり、美しさに満足するのを目的にプレイするだけでもいいのかも。
 
 
そんなところで、すっかり長くなってしまいました。 印象的な作品はSteam内でレビューも書いているのですが、スクショも付けて好きなゲームへの思いを残していきたいところでもあり、次回以降1作ずつ紹介していければと思います。